viernes, 18 de diciembre de 2009

第7節のテネリフェ戦に勝利してから勝利が無いエスパニョールの順位が急降下している。

第7節のテネリフェ戦に勝利してから勝利が無いエスパニョールの順位が急降下している。

 テネリフェ戦以後、エスパニョールが挙げたゴールは1対1で引き分けた第9節のバジャドリー戦のみとなっており、5試合に渡ってゴールが途絶えている。 そもそも開幕当時から得点力不足に陥っていたエスパニョールは、守備が踏ん張って勝ち点を得てきたのだが、最近では4対0と大差で敗れる試合もあり守備も 崩壊。まさに攻守においてチームが全く機能していない状態となっている。

 そして、その中で中村俊輔もまた厳しい戦いを強いられている。

ポゼッション重視からカウンター重視への逆戻りで混乱が。

 シーズン開幕前にはポゼッションサッカーを志向したポチェッティーノ監督だったが第2節のレアル・マドリー戦で地力の差を見せ付けられるように0対3と大敗すると、その信念は早くも揺らぎ始めた。

 ボールを保持するまでは良いものの、攻撃を仕掛ける段階でミスを犯してカウンターを浴び、ゴールは遠ざかり失点の危険ばかりが高まるという負の連鎖が始 まってしまったのだ。これは昨季、降格ゾーンに沈み続けていたエスパニョールと全く同じ状態である。第30節の時点で最下位だったチームが残り8節で奇跡 的な復活を遂げたのは、現監督ポチェッティーノの守備組織の再構築のおかげだったのだが、皮肉なことにポゼッションサッカーを志向したことによってポ チェッティーノは自ら作り上げた守備組織が乱れる状況を生み出してしまった。

 ポゼッションサッカーが機能しないことで、ポチェッティーノは第3節あたりから素早く原点への回帰を図った。

 昨季終盤に勝ち点を積み重ねたルイス・ガルシア、イバン・アロンソ、タムード、ネネ(モナコからのレンタル)らを、デラペーニャが指揮していくカウンターである。

 ポチェッティーノがチーム戦術の変更をしたことによって、パスサッカーの中で重要な役割を担うはずだった中村の起用法も必然的に変わり始めていた。足首の負傷によって万全ではなかったことも重なり、中村は先発を外れるようになった。

シーズン序盤の反省を活かしたはずの原点回帰で失敗!

 だが、ポチェッティーノの原点回帰はうまくいかなかった。

 クラブ首脳とのいざこざでタムードは戦列から離れ、デラペーニャも負傷で戦線離脱。左サイドからの突破とアシスト、さらにはゴールまでも兼ね備えていた ブラジル人レフティー、ネネはレンタル元のモナコへと復帰しており、昨季のエスパニョールの攻撃を牽引していた主軸選手たちの姿は消えていた。威力を失っ たカウンター攻撃がゴールをもたらすことはなかった。

 カウンター攻撃からポゼッションへの変換を目指してプレシーズンに作ったチームが、カウンター攻撃に向かないことは、当然のことだった。

戦術の再変更で、中村にチームの起死回生を託すが……。

 昨季のようなカウンター攻撃を仕掛けることができず、結果も出 ないことでポチェッティーノは再び、ポゼッションサッカーへと戻ろうとした。それは中村の起用法に現れている。第9節のバジャドリー戦から先発を外れてい た中村は、第12節のアトレティコ戦でリーガ戦では久しぶりの先発フル出場を果たした。中村が先発を外れていた間、エスパニョールに勝利は無く、その状況 を打開すべくポチェッティーノが中村に攻撃の指揮を託したことがうかがい知れる。

 しかし、中村が先発復帰を果たしたアウェーのアトレティコ戦でエスパニョールは4対0の完敗を喫してしまう。

 試合序盤から中村は丁寧なプレーで最終ラインと前線とを繋ぐ役割を果たしていた。だが、シーズン序盤を彷彿とさせるかのように、ボールを保持しながらもアトレティコ守備網をエスパニョールは崩せずにいた。

 逆にボールを奪われてからフォルラン、アグエロ、シモン、レジェスらが繰り出すアトレティコの素早いカウンター攻撃を前にリードを奪われてしまう。反撃 に出ざるを得なくなったエスパニョールは攻撃的MFサハル、サイドアタッカーのコロを投入。トップ下としてサハルが投入されたことで、中村は前半以上に中 盤でのボール捌きを任されるようになった。

 だが、その起用法も実らず、エスパニョールの攻撃が不発に終わると、アトレティコのカウンターはさらに猛威を振るうようになった。

 中村はカウンターへの対処に追われ、攻撃面でのプレー精度が落ち、守備ではアグエロの直接FKからのゴールにつながるファールを犯すこととなった。

ポチェッティーノ監督は完全に行き詰ってしまっている!?

 アトレティコ戦の大敗によって、ポチェッティーノは完全に手詰まりとなってしまった。

 昨季の躍進をもたらしたカウンター攻撃も、新スタイルとして目指したポゼッションサッカーも機能しないどころか、前線、中盤が固まらないことで持ち前の守備組織も完全に崩壊していた。

 翌節のラシン戦、エスパニョールはまたしても0対4で完敗した。

 中村は再び先発を外れ、リードを奪われた後半から反撃を託されて投入されたものの、すでに攻守が崩壊したチームの中では好プレーの余地は無くなっていた。

 完全に迷走し始めたポチェッティーノには解任の危機が迫っている。

 なんとかチームを立て直さなければならないが、光明を見つけることはできるのだろうか?

危機的状況の中で、中村にいったい何ができるのか?

 このような状況下で、中村はどうすればチームに貢献できるのだろうか?

 開幕からこれまでで確かに言えることは、プレッシャーが少ない中盤では中村はほとんどミスをしておらず、チーム全体のバランスを整えるパス捌きをしてき たということだ。逆に個人の突破力が求められる相手ゴールに近い場所でのプレーでは相手を凌駕するプレーはいまだに見られてはいない。チームの連動性が欠 けていることで、中村のパス能力やキックフェイントからのドリブルなどが活きないのは確かだが、現時点での中村は中盤でのボール捌きでチームにより貢献し ていることになる。

 そうなると、中村を中盤でのゲームメイカーにするという策が浮かぶが、それはアトレティコ戦で見られたように、中村の守備の負担も増えることを意味して いる。アトレティコ戦では中村とモイセスが中盤で相手カウンターに対処しなければならなかったが、結果的にそれは失敗に終わっている。モイセスに加えても う一人守備的なMFを置くことで、中村のパス捌きの能力はより引き出されることになるが、それは中村がより高い位置でも中盤でのプレー精度の高さを発揮し なければならないことも意味している。

エスパニョールの解決策は冬の移籍市場での補強策のみ!

 中村の起用法一つをとってもこれといった策が見えないということは、現在のエスパニョールが明確な打開策を見つけられないということと同じだ。

 エスパニョールと中村の力が極端に低いのではない。互いの持ち味を活かすための駒がわずかに不足しているだけなのだが……。

 両者は今、そんな状態にある。

 今のところ、冬の移籍市場で不足している駒を補強することが最も有効な解決策のように思える。その補強の際にこそ、ポチェッティーノがどのようなチーム作りを目指すのか、そして彼が中村をどのように評価しているのかが改めて明らかになるはずだ。

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